同調と同化

同調と同化は 「 気の作用 」 の一つで、この概念を使うことで様々な効果が得られます。
もともと「 気 」は人からも出ているもので、しかも他と作用しあうので、 「 同調作用 」 は
自然と起こっているものなのですが、それをあえて意識して使うことで
もう一段高いレベルの 「 同化作用 」 にもっていくのが施術のミソです。

同化させるといっても、厳密に言うと実際にどこまで一緒になるかは分かりませんが
良くない状態の患者さんをより良い方向に向けること。また、それを目指す事のほうが重要です。

だからこそ気の項で述べたとおり、施術者は高いレベルのエネルギーを持つ事となる訳です。


最も簡単な同調・同化法に活法では 「 置き直し 」 という技法があります。
みなさんは指圧を受ける人に対して、まずベッドや布団などに寝てもらいますよね。
その時、どういうふうに施術に入りますか?
ほとんどの方はそのまま相手に合わせて姿勢をつくり、施術に入ると思います。

これは患者さんの良くない状態に合わせる、すなわち同調してしまうことになります。

施術者は ・・・ 良い状態に導く為の支持点にならなければなりませんよね。
ですから、患者さんの勝手に寝た状態に合わせてはいけないのです。

これから良い方向に導いて、同調・同化させるにはそれを崩し、より良い状態の施術者側に
向かせる必要があります。やり方は簡単です。
患者さんの寝た格好から、さりげなく手や足を軽く持ち上げ
さも姿勢でも正しているかのように動かすことです。

別に実際にずらさなくとも良いのです。これは、施術者が動かすことによって
相手の状態をこちらの思惑通りに変える作用を狙っています。
そして、それが患者さんの身体にこれから施術するよという信号となり
施術を受け入れる状態にしているのです。

このように、何気ない操作一つをとっても活法には意味があります。 
同調・同化させる場合には、気や身体の動きも用いますが、それをより高めるには
これだけでは足りません。もうひとつ、相手の意識すなわち精神を誘導する為に
「 言葉がけ 」 が重要となります。 碓井流活法では、言葉は相手の精神に対して
直接影響を与えることができる力があると言われています。

言霊や音霊などという言葉を聞いたことはありませんか?

言葉や音そのものに意味があり、力を持っているという考え方で、古来から神道や陰陽道・雅楽
などにも用いられています。ですから、碓井流活法の調整で患者さんに何かやってもらう時には
必ず 「 こうして下さい 」 と声をかけ、必ず 「 はい 」 と返事を頂いてから行動に移すように
注意します。 この事で意識レベルからの同調・同化がすでに始まっているのです。

また、同調・同化にはさらに宇宙のエネルギーとの総合調和などといった広い意味もあります。