身体を動かそうとする時、皆さんはどうしていますか?
といっても、何も考えずに自然と動きたいと思ったように動いているはずです。
普通に動ける場合にはそれで構わないのですが、調子が悪い・痛い時は当然動きが悪くなります。
その時、脳は 「 調子が悪い・痛いから動きたくない 」 と指示を出しています。
これは本来、身体を守り、治そうという働きのためですが、これが強かったり長引くと
身体はこれしか動かなくていいのだと勘違いしてしまいます。
この働きが曲者です。
そこで、碓井流活法では 「 脳の働きを逆転させる 」 ように認識を変えていきます。
始動支点の移動 という手法を用いますが、1度動ける範囲の認識を変えてあげると
動けるんだと勘違いさせることもできます。
今まで動けなかったものも、一旦動けてしまえば脳はその動きを指示し
筋肉もその通りに動いてくれるからです。
その方法は簡単!
一つ肩を例に考えてみます。 肩すなわち腕が挙がらない、五十肩の患者さんに
よくみられますがテストと称して立位で肩の動きをみると、痛いのでだいたい90°外転まで位しか
いかないくらいでしょうか ...
そこで、まず挙がるところまで腕を上げてもらいます。
術者はその位置で手首を持ち固定します。 そこから患者さんにしゃがんでみてもらって下さい。
すると・・どうでしょう?
自然に腕が挙がってしまった格好になっているはずです。
そうしたら、その姿勢からもう一度立位に戻ってもらいます。
ポイントは、一度変化が出たら必ず患者さんに目で見て確認してもらうことです。
確認したとき、脳の中では 「 ここまで動ける 」 と書き換えが起こり、動けたところまでは
必ず動けるようになっています。
このように患者さんの認識を変えていくと、今まで動かないとあきらめたり
痛くて目をそむけていたところが変わっていきます。
臨床では、施術のはじめ・終わりに用いることの多い手法です。