導引術

碓井流活法では 「 導引術 」 と呼ばれる筋肉の調整術をよく用います。



これは目的の筋肉に力を入れさせ、瞬間脱力させるといった簡単にみえるものですが
実際にやってみると細かい注意点がたくさんあることに気付かされます。

 

まず目指す筋への 「 触診・圧痛の確認 」 が大事。これはあえて強めに行いますが
それは施術前と施術後の変化を患者さんに強く感じてもらうためです。

より大きな変化であればあるほど、患者さんはその効果が分かりやすくなります。
そして痛みがなくなり、動きやすくなれば、患者さんの動こうという意志・やる気も
導き引き出すことができるようになる。

 

次に、筋肉をただ動かすのではなく、可動域の限界まで患者さんに動いてもらうことが大事。
これは術者側でうまく誘導する必要があります。誘導をうまく行うには、まずどう動くのかの
言葉がけ、そして次にその動きを手でいざないます。

この時、決して無理に動かそうとしないで下さい。 あくまで患者さんに動いてもらうように!
それは反発を起こさないためです。

 

最後に、動いてもらった方向と逆に抵抗をかけるように力をいれ、患者さんに堪えてもらいます。抵抗の力は、患者さんがこらえられる程度。 すなわちお互いの力が拮抗する状態です。

そうすると押しも押されもせず、ピタッと止まる状態になるはずです。
その状態から3~5秒こらえてもらった後、合図とともに瞬間脱力してもらいます。

 

これ以外に、まだまだ注意点はいくつもありますが、注意点を一つ一つ着実にこなしていくと
技術の精度は上がり、その効果も高いものになります。
こつがわかってくると、目的とする筋以外にもその効果を波及させる事ができるようになります。