自動運動と他動運動

先日、受講生さんからこんな質問を受けました。「施術前の大きな痛みは活法の技で取れたけど、動きの再確認をしたら別の痛みがでた」とのことです。僕はこれは技をかける際の力加減が、その患者さんにとってちょっと強すぎたため、筋肉痛を起こしたと考えアドバイスさせて頂きました。後日、質問された方から次の日にはおさまっていたとの報告を受けました。このようにどんな良い技でも、その刺激量の加減はいつまでもつかみきれない永遠のテーマです。

 

そこで、碓井流活法から観た「自動運動と他動運動」の違いを知っておけば、このようなケースへの不安はなくなるはずです。またこれは、施術前に確認しておくとどのような原因で症状が出ているかの判断にも使えます。

 

自動運動とは、患者さん自ら力をいれて動かしてもらうので、主に筋肉の緊張からくる問題と考えます。あとはどの筋肉を調整するかだけです。それに対し他動運動は、患者さんに力を抜かせ施術者が動かすもので、主に関節・骨格からくる問題と考えます。こちらは関節や骨格へのアプローチを用います。このように、ある程度の目安をもっていれば、どの技術を当てはめるかが分かりやすくなります。例えば、肩なら自分で腕を上げるのと力を抜いてもらって施術者が持ち上げる。腰の場合なら少し変わりますが、自分で前屈してもらう自動運動と、骨盤を施術者が押さえて前屈してもらうと腰や骨盤が引き伸ばされ他動運動のようになります。

 

たとえ同じ症状でも、どこが原因となっているのかは患者さんによって千差万別です。また、原因が分かったとしてもその患者さんに合ったアプローチ方法も力加減も千差万別です。碓井流活法ではそのためなのでしょうか、ひとつの部位や症状に対して様々な技術があります。ご興味のある方はぜひ習得してみて下さい。