導引術 その2

はたから見て、見えない・気づかないところに、技術のポイントが隠れていることがあります。

碓井流活法で多用する 「 導引術 」 はその最たるものともいえます。

テストの重要性、患者さんへの言葉がけ・動きの誘導、抵抗の方向性・力加減など・・・
細かい点を言い始めたらきりがありませんが、今回は力のかけ方について述べていきます。

 

筋肉を対象とした導引術は、患者さんの関節可動域の無理のない且つ
めいっぱいの所に止まってもらう事からはじめます。
抵抗の方向はすべて元に戻す方向というのが鉄則ですが、これがやっているつもりで難しい...

その上、患者さんが堪えられる 「 程度の力加減 」 に合わせようとすると更に難しくなります。
しかし、施術者の位置・ポジションを工夫するとうまくこなせるようになってくる。

 

それには、患者さんの止まった状態の形をよく確認してください。どの方向に向いているか?

関節がどのくらい曲がっているか等です。その方向に向かい合うように位置し自分の関節を
相手と同じくらい曲げた状態にするとスムーズです。

そこから手先や腕の力ではなく、肩や背中など身体を使った動きで力をかけれるようになると
とてもうまく導引ができるようになります。

 


碓井総導師は無意識でこれらをやられていますが、真似をしてもなかなか同じような
結果はでないかもしれません。

何回も繰り返しこなすことで、自然に身に付けるていくかもしれませんが、このヒントで
一歩近づくことができると思います。

「 形は技やけど、技は形じゃない 」

これは遊知やよみ先生著作の福屋堂本舗(集英社)の中に出てくるセリフですが
始めて読んだときドキッとさせられました。

職人さんの秘伝の口授というものでしたが、僕らのような技術を使う者すべてに当てはまる
とても重要な言葉だと思っています。